バイク用エンジンオイルの話

写真左から ホンダウルトラU、ホンダウルトラGP、
オーストラリアで購入した モービルスーパー、バルボリンXLD
バイク用のエンジンオイルですが、
大抵はメーカー純正のものを使用しているのではないでしょうか。
メーカーの保証書には、純正のもの以外を使用すると保証適用外になると書いてありますから・・・
本や雑誌にもエンジンオイルについて、たまに書いてあったりしますが、
四輪用の安いオイルでも問題ないとか、
逆にバイクはクラッチが湿式でギヤオイルも兼ねているので、パイク専用オイルでないとダメだとか。
どちらがいいのか、当たり障りのない表現ではっきりしなかったりしています。
それは、メーカーや販売店が出版社に高額な広告料を払っているからです。
お金をもらっているのに、否定的な表現はできません。
あと、販売店にとってオイル交換は儲けの多い仕事なので、
他に取られてしまったら困るという、現実的な問題もあります。
なので、メーカーは販売店用にパンフレットを作り、
オイル交換に来た客に対してのセールストーク集なんてのを配ったりもしています。
「オイルはエンジンの血液です。ですから早めの交換を」とか
「高品質の純正オイルがいちばんエンジンに合っています」とか・・・
みたいな言葉です。
皆さんも聞いたことがあるでしょう。
バイクメーカー純正オイルも、結局は数社の石油メーカーのもので、
どの社のものか区別するためにイニシャルが入っていました。
追記 ホンダの四輪用のサービスマニュアルには、
日本石油、三菱石油、出光興産、昭和シェル石油、コスモ石油、共同石油、ゼネラル石油がエンジンオイルのメーカーとなっています。

写真 愛用しているバルボリン。ペンズやカストロールも使用しています。
国内ではメーカー純正オイルを売っていますが、
海外では、そんなものは売っていません。
バイク販売店でも、有名な石油メーカーのオイルをチョイスして使用しています。
オイルの値段が日本と海外特にアメリカで違うのに驚きます。
アメリカのスーパーへ行くと、1クオート(0,94ℓ)の
API規格最高品質のオイルが、少し前まで 1ドルしませんでした。
何も知らない会社の知り合いは、店が勧めるアメリカ製オイルを 1クオート 3,000円で買い交換していました。
アメリカで 70円のモノが 3,000円です。
1回のオイル交換で 1万円も払っているのです。
余裕があってこだわりのある人ならいいでしょうが、
客の無知に付け込んで、法外な値段を付けて販売しているのですから驚きます。
適正価格であれば、何も文句を付ける筋合いではありません。
それでも、リッター二千円を超える価格はどうかと思います。
大体海外と値段が違いすぎます。。。
そもそもエンジンオイルは、どうすればいいのか・・・
エンジン寿命、この場合シリンダーとピストン及びピストンリングの寿命ということになりますが。
シリンダー内をピストンが何往復するかで決まってきます。
それは、あなた(ユーザー)が、バイクでも車でも何年何万キロ乗りたいか、で決めればいいことなのです。
ほとんどの人は数万キロで売るか、下取りに出すか、廃車にするでしょう。
10万キロ、それ以上乗りたい人だけオイルに気を付ければいいのです。
今の規格からすれば、高級オイルは必要ないし、オイル交換もたまにでいいでしょう。
<私の経験>
最初のうちは純正オイルでしたが、
その後は安い四輪用トヨタやニッサン。
バルボリン、ペンズ、カストロール等の輸入品。
50ccからリッターバイクまで、今走行距離が最高なのは 12万キロ走っています。
10万キロの時に自分でエンジンを分解・整備し、部品がどの程度摩耗しているかを確認しました。
「10万km走行したエンジンの分解・整備」→ここをクリックしてご覧ください。
シリンダーもピストンリングも、
サービスマニュアルにある使用限度までは、まだまだ余裕でクリアしました。
ピストンリングを交換しようと考えていたのもやめたくらいです。
クラッチ板は摩耗ほとんどなし。滑ることもありません。
エンジンの底はきれいなもので、スラッジなどはありませんでした。
四輪用の安いオイルで問題ないのです。
これなら 20万キロでも大丈夫です。
所有するバイクを実験車として、有名なオイルもいろいろ使用してみました。
モービル 1、モチュール 300V等の化学合成の最高級オイルを入れ、
ワクワクしながら走っても、エンジンに特段の変化はないし・・・
ホームセンターで安売りの4ℓ千円以下の鉱物油オイルでも問題ないし・・・
一時期、筑波サーキットのライセンスを取得し走行しましたが、
その程度では、普通のオイルで十分でしたし・・・
粘度は 20w-50では、エンジンが温まるまで時間がかかり、
10w-30で年間を通してトラブルは起きていません。
夏は暑いので 10w-40が売っていれば使いたい。くらいの考えです。
結論としては、今のAPI規格 SM、SLなら安いオイルで問題ない。ということです。
それより、量に気を付けるべきです。
エンジンオイルは走っているうちに減っていきます。
いつの間にか下限以下になっていた。とか、
いうことがないように。
追加

ホンダの純正オイル拡販用のパンフレットです。
ヤマハのも持っていますが、内容は同じようなものです。
高価な車やバイクを購入したからには、
大切に長く乗りたいと考えるのは皆同じです。
しかし、バンフレットを良く読むと裏側がよ~く見えてきます。
メーカー自ら純正オイルには大きな利幅があると書いています。
原価はとても安いと白状しているようなものです。
整備プラスオイル交換で儲けてください。と書いてあります。
店側からすれば、バイクそのものや部品代では
ほとんど利益を上げることはできないため、
店舗の維持や人件費のためには高いオイルを買ってくれる客はお得意様です。
あとはユーザーの判断です。
アフターサービスの良い店、
店主の人間性の優れた店なら少々高いお金を出したところで納得できるでしょう。
中には客をカモとしか考えていないひどい店もありますから、
これは 2012年 1月14日の「ユーザー車検今昔」を読んでください。
実際に体験した店のことを書いてあります。
皆さんも多少はそういった経験をしたことがあるでしょう。
騙されて高いものを買わされるくらいなら、
自分の判断・自分の責任で行う方が納得できます。
単に○○が良くて、××が悪いでは比較になりません。
同じ条件のエンジンで安いオイルと高い純正オイルを使用し、
例えば 10万km走行したら、ピストンリングの摩耗はどのくらい違うのか、
バルブ周りは、クラッチは、ギヤは・・・
ただ感覚だけで良い悪い、と書いてあるところはサクラかも知れません。
エンジンを分解したことのない人がオイルを語っているのも笑えます。
最終的には自分で整備の技術を身に付け、
エンジンを分解整備して判断することです。
